〜棟梁、泥克己さんとの不思議な対話〜 Instagramで投稿しました✒️✨
2024年11月24日 23:51:00
〜棟梁、泥克己さんとの不思議な対話〜
昭和62年、
僕が幼稚園の頃、生まれ育った実家の新築工事を近所の大工棟梁、泥克己さんが手掛けました。
40年近く前、当時の棟梁は70歳を越えたおじいちゃんだった。
建物の造りは、昔ながらの入母屋造りで、ほとんどの部屋が真壁の和室だった。
当時、工作が好きだった僕は大工仕事に興味津々。大工道具を勝手に触り、棟梁に叱られたりもした。
棟梁とは会話をすることはなく、ただ頑固な怖い棟梁というイメージだった。
棟梁は、僕が中学生の頃に亡くなられた。
大学を中退し大工を志したことも、棟梁みたいな立派な大工さんになりたい!という思いが根本にあったように思う。
大工になってからは、少しずつ仕事を覚え、いつか棟梁が建てた入母屋を自分の手で製図し作りたいという思いが強くなった。
隅木が絡む入母屋ができる技術を習得することは、大工の最低限のレベルだと思っていた。
30歳を過ぎ、棟梁が手掛けた建物を入母屋で改築することになった。
棟梁の墓前に挨拶し、
屋根裏に上がり、棟梁がどのような仕事をされているのか調査し、レベルの高さを痛感した。
自分で隅木の現寸を描き、材料を加工。
棟梁は、どのような思いで仕事をされたのか…
建方が終わり、隅木が無事に納まった。
青い空から、
『どうや?入母屋難しかったか?』と棟梁から聞かれた気がした。
『はい!難しかったです!』
『そうか。難しいと分かっただけでも、あんたの成長や!』
そう言われた気がした。
少しでも棟梁に近付けたか分からないけど、
さらに難易度の高い仕事に挑戦していくことを棟梁に誓った。
泥工務店
泥 真佑
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